静かな空間
About a Farm
フィンランド/2005/フィンランド語/カラー/ビデオ/54分
Dir. メルヴィ・ユンッコネン
提供:フィンランド・フィルム・ファンデーション »
老いた猫のお引越し
Moving Adult Cats
スウェーデン/2004/スウェーデン語/カラー/ビデオ/58分
Dir. ヨハン・ルンドボーグ
製作:ミグマ・フィルム »
北欧の小さな田舎町を舞台にした2作品。両親が直面する時代の流れを受け、変わって行くフィンランドの農場経営。それを内から見つめ、家族の絆の深さが印象的な『静かな空間』。スウェーデンの町で、ひとり暮らしのふたりの老人の日常に寄り添い、自分らしく老いを生きる姿を繊細に描いた『老いた猫のお引越し』。

静かな空間
About a Farm
Hiljainen tila

フィンランド/2005/フィンランド語/カラー/ビデオ/54分
監督、脚本、ナレーター:メルヴィ・ユンッコネン
撮影:メルヴィ・ユンッコネン、ヴェサ・タイパレーンマキ
編集:トゥーリ・クイッティネン
録音:エサ・ニッシ
音楽:ギリラル・バールス
製作:キンモ・パーナネン、ミカ・ロンカイネン
製作会社:クラッフィ・トゥオタンノットゥ
提供:フィンランド・フィルム・ファウンデーション

メルヴィ・ユンッコネン
Mervi Junkkonen

1975年フィンランド、オウルンサロ生まれ。現在はスウェーデン、ウプサラ在住。ヘルシンキ芸術デザイン大学でドキュメンタリーの撮影と編集を学ぶ。短編映画の編集多数、テレビ番組制作のほか3本のドキュメンタリー作品を監督。『Barbeiros』(2001)は2002年アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭でFIPRESCI賞、2002年チリのサンティアゴの国際学生映画祭でドキュメンタリーおよび撮影部門の最優秀賞、2003年シカゴ国際映画祭でゴールド・ヒューゴ学生映画賞を受賞。その他の作品に『Saana』(2003)。本作は2005年フィンランドのタンペレ国際短編映画祭でリスト・ヤルヴァ賞を受賞した。

監督のことば
EU加盟国となってからフィンランドの小規模農業の経営はもはや成り立たなくなってきている。私の家は農家なので、農業従事者の苦しみを映画にしてみたいと思った。故郷の村では多くの人が現状維持に必死だ。そして突然そのテーマが身近なものに。両親が牧場をやめると言いだし、私は複雑な気持ちで経過をフィルムにおさめようと、牛が連れ去られてからの感情と出来事を見つめていった。予期せぬことが次々と起き、私たちにとってこの1年半はけっして楽ではなかったが、結果的には家族の絆が戻ってきた。それを思えばこの映画を作ることができて嬉しいのだが、自分自身にまつわる映画はやはり困難が伴うので、撮り始める前によく考えなければならないと思う。

シノプシス
フィンランドの小さな町にある農場を営んでいた監督の両親は、牧場の牛を売り払い農場の閉鎖を決意する。畑の収穫も父親の怪我で他人の手を借りることに。高校卒業間近な妹の病気、心配するしかない母親。農場を継がずに都会での生活を選んだ妹と監督。押し寄せる時代の波と、家族の日常を映し出しながら、父の撮りためた8mmフィルムを眺め、ひとつの家族の物語をひとつの作品へと昇華させた。本作が長編デビュー作のフィンランド期待の監督によるセルフ・ドキュメンタリー。


老いた猫のお引越し
Moving Adult Cats
Att Flytta vuxna Katter

スウェーデン/2004/スウェーデン語/カラー/ビデオ/58分
監督、撮影、編集:ヨハン・ルンドボーグ
製作:アニータ・オクスブルグ
製作会社、提供:ミグマ・フィルム

ヨハン・ルンドボーグ
Johan Lundborg

1977年、ヨーテボリ生まれ。スウェーデン南部のビョーンストルプで育つ。2003年、ヨーテボリ大学芸術学部写真映画学科映画監督コース卒業。その後、プラハのプラハ映画アカデミー(FAMU)で学ぶ。主な作品は『Home Sweet Home』(2000)、『The Movement of Sigge Nilsson』『Isolated』(2001)、『The Proud Matador』(2002)など。

監督のことば
この映画は、普遍的で不可避なある問題に焦点をあてている。肩書きや育ちは関係なく、誰もが遅かれ早かれいつかは自問自答しなくてはならない問題。その問いはアルベルトとグレタを同じ境遇の人間として結びつけている。

シノプシス
移動販売車が週に一度通ってくるスウェーデンの田舎町。ひとり暮らしのふたりの老人、彼らの日常にカメラは寄り添う。終の棲家として老人ホームへの移住を決意した90歳のグレタ、周りを雑草が囲む荒れ果てた家で3匹の猫と暮らす79歳のアルベルト。人生を見つめながら自分らしく生きようとするふたりの自然な選択までの微妙な心の揺れ。監督はそれらを注意深く見つめ、人間が必ず辿る老いの問題を繊細に描き出す。

9.19(火)14:25 @ポレポレ東中野
9.23(土/祝)16:20 @ポレポレ東中野
10.12(木)16:30 @アテネフランセ文化センター

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コメント (2)

The shot came whistling through my confidential dialogues with his legs submitting to more chances and hazards than people ashore; and I no more could be found in natural history--forewarning his different owners that he was himself.

Let Hurry go where they never dare to land may they eat me as favorably, as already described, and that too for an island, or what they may.

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主催◎シネマトリックス
共催◎山形国際ドキュメンタリー映画祭実行委員会、アテネ・フランセ文化センター、映画美学校、ポレポレ東中野
協力◎東京国立近代美術館フィルムセンター、大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)、東北芸術工科大学東北文化研究センター

フィルム提供:
アテネ・フランセ文化センター、アリイケシンジゲート+大きい木、岩波映像、映画「戦後在日五○年史」製作委員会、川口肇、共同映画社、シグロ、疾走プロダクション、自由工房、白石洋子、鈴木志郎康、瀬戸口未来、高嶺剛、W-TV OFFICE、陳凱欣、朝鮮総聯映画製作所、全州国際映画祭、テレビマンユニオン、直井里予、日本映画新社、朴壽南、ビデオアートセンター東京、プラネット映画資料図書館、北星、松川八洲雄、松本俊夫、もう一度福祉を考え直す会・磯田充子、ヤェール・パリッシュ、山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー