マルグリット・デュラス、あるがままの彼女
Marguerite as She Was
フランス/2002/フランス語/カラー、モノクロ/ビデオ/61分
Dir. ドミニック・オーヴレイ
「よく笑い、真面目で、誠実で、挑発的で、注意深く、きっぱりしていて、しかしなによりも若々しく、自由な彼女に近づくために」(オーヴレイ)、マルグリット・デュラスと一緒に仕事をした編集者ドミニック・オーヴレイ(ペドロ・コスタ監督『ヴァンダの部屋』やヴィム・ヴェンダース監督『都市とモードのビデオノート』などの編集)が、初めて監督として作ったドキュメンタリー。

マルグリット・デュラス、あるがままの彼女
Marguerite As She Was
Marguerite, telle qu’en elle-même. Un portrait

フランス/2002/フランス語/カラー、モノクロ/ビデオ/61分
監督、編集、提供:ドミニック・オーヴレイ
撮影:パスカル・マルティ、アンドレ・シュムトフ
録音:レジス・ミュラ−、ナタリ−・ヴィダル
音楽:ジャン=クリストフ・マルティ、カルロス・ダレッシオ
歌、朗読:ジャンヌ・バリバール
製作:シャンタル・ベルンハイム
製作会社:デューン、INA、Arte France

ドミニック・オーヴレイ
Dominique Auvray

マルグリット・デュラスと出会い、デュラスの作品『バクステル、ヴェラ・バクステル』(1976)、『トラック』(1977)、『船舶ナイト号』(1978)の編集でキャリアを開始。以後、フィリップ・ガレル、ヴィム・ヴェンダース、クレール・ドゥニ、ペドロ・コスタなど、先鋭的な映画作家の作品編集を手掛ける。2002年、デュラスのポートレート『マルグリット・デュラス、あるがままの彼女』を監督。この作品はロカルノ国際映画祭をはじめ、多くの映画祭で上映された。現在、日本の枕絵を主題としたドキュメンタリーを構想中。

監督のことば
1991年6月3日、マルグリット・デュラスは『北の愛人』を、初めて献辞を添えて私に贈ってくれた。その献辞で彼女は次のように書いてくれた。「私の友人ドミニック・オーヴレイへ あらゆる思い出のなかでもとてもすてきな思い出、まだ最近の、つまり一緒に“映画”で仕事をしたその思い出に」
このポートレートはマルグリット・デュラス、あるがままの彼女に近づくために作りました。よく笑い、真面目で、誠実で、挑発的で、注意深く、きっぱりしていて、しかしなによりも若々しく、自由な彼女に近づくために。

審査員のことば
クレール・ドゥニの『ジャック・リヴェット、パリの歩哨』『Man No Run』、ペドロ・コスタの『映画作家ストローブ=ユイレ/あなたの微笑みはどこに隠れたの?』『ヴァンダの部屋』、ヴィム・ヴェンダースの『都市とモードのビデオノート』、バーベット・シュローダーの『Koko, le gorille qui parle』に、私は編集として参加した。この監督たちの劇映画も編集したが、言うならば『ヴァンダの部屋』とマルグリット・デュラスの『トラック』とのあいだに差異を感じたことはない。
いずれにせよ、編集のアプローチに対する発想に違いはない。大切なことは、現実を反映したものであれ、人工的に作られたものであれ、素材を探求し、そこに隠されたものを発見して、殻を破り自由に解き放つことである。フィクションの場合には物語にしたがって並べられた最初の粗編集版が、ドキュメンタリーの場合には物語を生み出すようなラッシュの選択が、私にとって探求の最初の材料となる。その時点で初めて解体の作業が始まる。引き裂き、耳を澄まし、さらに目を凝らしては、映画が存在するか否かを見極めようとする。
映画作家として、私はドキュメンタリーに分類されるであろう1本の映画を作った。マルグリットはすでに亡くなっていたので、ほとんど撮影はしなかった。色彩、感情、手法といった私の記憶と友情を特徴づけるものを意識しながら、可能な限り音楽的な映画を作ろうと思った。引き裂き、引き延ばし、鋏を入れたそのアーカイヴ映像を通して、彼女の肉体、声、思考と共にあるひとつの肖像を描いてみたかったのだ。
私は“フィクション”対“ドキュメンタリー”という構図を好まない。どちらであっても、面白い映画もあればつまらない映画もある。1本のよい映画とは、世界や様々な感情を私たちの前に差し出す、映画の精神に基づくものだ。映画の世界とは空から降ってきて自然にできあがったものではない。映画は、それが描く世界に、さらなる豊かさ、明晰性、リアリティを与えるのだ。
「ドキュメンタリーとは、撮影後にシナリオが書かれる劇映画のことである」。(フレデリック・ワイズマン)

10.14(土)14:30 @アテネフランセ文化センター

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主催◎シネマトリックス
共催◎山形国際ドキュメンタリー映画祭実行委員会、アテネ・フランセ文化センター、映画美学校、ポレポレ東中野
協力◎東京国立近代美術館フィルムセンター、大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)、東北芸術工科大学東北文化研究センター

フィルム提供:
アテネ・フランセ文化センター、アリイケシンジゲート+大きい木、岩波映像、映画「戦後在日五○年史」製作委員会、川口肇、共同映画社、シグロ、疾走プロダクション、自由工房、白石洋子、鈴木志郎康、瀬戸口未来、高嶺剛、W-TV OFFICE、陳凱欣、朝鮮総聯映画製作所、全州国際映画祭、テレビマンユニオン、直井里予、日本映画新社、朴壽南、ビデオアートセンター東京、プラネット映画資料図書館、北星、松川八洲雄、松本俊夫、もう一度福祉を考え直す会・磯田充子、ヤェール・パリッシュ、山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー