果ての島
The Island at the End of the World
フィリピン/2004/フィリピン語、イトバヤット語/カラー/ビデオ/106分
Dir. ラーヤ・マーティン
ヨーロッパ的風景で知られ、夏の短い間の観光地としてしかあまり知られぬ、フィリピン最北端に位置するイトバヤット島。カメラ片手に島に降り立った若い都会人である監督が、自由に時間が流れる島の呼吸に身を浸し、自身を島に投影するように、悠々と素朴な島人たちに緩くカメラを這わせ、そこにある物語を探る。 

果ての島
The Island at the End of the World
No Pongso Do Tedted no Mondo

フィリピン/2004/フィリピン語、イトバヤット語/カラー/ビデオ/106分
監督、脚本、撮影、製作:ラーヤ・マーティン
編集:アン・ニコメデス 
音楽:フランシスコ・ホリオンド
提供:ラーヤ・マーティン

ラーヤ・マーティン
Raya Martin

1984年、マニラ生まれ。フィリピン国立大学ディリマン校で映画を学んだ後、地元テレビ局や新聞、ラジオ局、インターネットマガジンのライターやリサーチャーとして働く。ショートホラー『Bakasyon』は、2004年マカティ・シネマニラ国際映画祭でヤング・シネマ・イシュマエル・ベルナール賞を受賞。ベルリン国際映画祭のタレント・キャンパス2005に参加し、カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン主催レジデンスの第11回セッションにも選ばれた。近作は初の長編作品『Indio Nacional』。

監督のことば
ヨーロッパ的な風景で知られるバタネス諸島はフィリピン最北端に位置し、その鋭くとがったバシー海峡に切り立つイトバヤット島は唯一の有人島である。ほぼ1年にわたって暴風雨が続き、毎年、夏の短い間、観光客をひきつける以外はあまり知られることのない島であり、極端な場合、地元の地図にも載っていないこともある。
都会に住む若い映像作家の私も多くの都会人と同様、皮肉にも島民や島の文化に対して時代遅れという印象を抱いている事実があるからこそ、イトバヤット島に魅力を感じる。その伝統や慣習ということ以上に、本島からは隔離されているような島のコミュニティを理解したいという思いが、本質を探し求める私をつき動かす。島や島の人々の表層は、新しい物語も昔ながらの物語も語っているのだ。
この『果ての島』を通して、一見異なって見えるフィリピン人と地球市民はひとつであり同じだということを共有できればと思う。

シノプシス
頻繁な台風上陸の影響で、1年の内に短期間しか島を訪れることができないフィリピン最北の島、イトバヤット島に小型飛行機からカメラ片手にシティボーイが降り立つ。おばあさんの皺皺、ラジオを囲むおじさんたちの視線、畑を耕す若者たちの猫背、明け方の海岸でさばかれる魚の鱗、カメラの先にある空、土、波。自由に時間が流れる島の呼吸に身を浸し、自身を島に投影するように、悠々と素朴な島人たちに緩くカメラが這う。

9.19(火)16:45 @ポレポレ東中野
9.23(土/祝)12:30 @ポレポレ東中野

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主催◎シネマトリックス
共催◎山形国際ドキュメンタリー映画祭実行委員会、アテネ・フランセ文化センター、映画美学校、ポレポレ東中野
協力◎東京国立近代美術館フィルムセンター、大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)、東北芸術工科大学東北文化研究センター

フィルム提供:
アテネ・フランセ文化センター、アリイケシンジゲート+大きい木、岩波映像、映画「戦後在日五○年史」製作委員会、川口肇、共同映画社、シグロ、疾走プロダクション、自由工房、白石洋子、鈴木志郎康、瀬戸口未来、高嶺剛、W-TV OFFICE、陳凱欣、朝鮮総聯映画製作所、全州国際映画祭、テレビマンユニオン、直井里予、日本映画新社、朴壽南、ビデオアートセンター東京、プラネット映画資料図書館、北星、松川八洲雄、松本俊夫、もう一度福祉を考え直す会・磯田充子、ヤェール・パリッシュ、山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー