配給作品 distribution

ペドロ・コスタ監督作品

  • ヴィタリナ 原題:VITALINA VARELA

    ポルトガル/2019/ポルトガル語・クレオール語/カラー/DCP/124分
    出演:ヴィタリナ・ヴァレラ、ヴェントゥーラ

    ロカルノ国際映画祭2019グランプリ(金豹賞)、主演女優賞(ヴィタリナ・ヴァレラ)

    2019年東京フィルメックスにて招待上映。2020年9月19日ユーロスペースにて公開 全国順次公開

    ポルトガルに出稼ぎに行った夫がいつか自分を呼び寄せてくれると信じて待ち続けていたヴィタリナは、カーボ・ヴェルデからリスボンにやってくる。だが、夫は数日前に亡くなり、既に埋葬されていた。ヴィタリナは亡き夫の痕跡を探すかのように、移民労働者たちが暮らしている地区にとどまる……。
    ほとんどの場面が夜に設定され、メロドラマ、フィルム・ノワール、ホラーなど様々なジャンルが混在しているとも言える。コスタ作品の“顔”とも言うべきヴェントゥーラもヴィタリナの夫を埋葬した司祭の役で登場し、強烈な印象を残す。

  • ホース・マネー 英題:Horse Money 原題:Cavalo Dinheiro

    ポルトガル/2014年/ポルトガル語・クレオール語/カラー/DCP/104分
    出演:ヴェントゥーラ、ヴィタリナ・ヴァレラ、ティト・フルタド

    ロカルノ国際映画祭2014最優秀監督賞
    山形国際ドキュメンタリー映画祭2015大賞(ロバート&フランシス・フラハティ賞)

    2015年10月山形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティションで上映。2016年6月ユーロスペースにて公開

    『ヴァンダの部屋』『コロッサル・ユース』に続き、リスボンのスラム、フォンタイーニャス地区にいた人々と創り上げ、主人公も『コロッサル・ユース』のヴェントゥーラ。ヴェントゥーラ自身のカーボ・ヴェルデからの移民の体験をもとに、ポルトガルのカーネーション革命や植民地支配からの独立などの近代史を背景に、ポルトガルに暮らすアフリカからの移民の苦難の歴史と記憶を、ひとりの男の人生の終焉とともに虚実入り混じった斬新な手法で描いた。

  • 何も変えてはならない Ne change rien

    ポルトガル・フランス/2009年/フランス語/モノクロ/35mm/103分
    出演:ジャンヌ・バリバール、ロドルフ・ビュルジェ

    2010年7月、ユーロスペースにて公開

    『そして僕は恋をする』(アルノー・デプレシャン)や『恋ごころ』『ランジェ公爵夫人』(ジャック・リヴェット)などに主演し、若手から巨匠まで現代フランスにおける映画作家たちのミューズとして知られるフランス人女優ジャンヌ・バリバール。歌手としても知られるバリバールの音楽活動の軌跡を、ライブリハーサルやアルバムレコーディング、ロックコンサートや歌のレッスン、曲は《ジョニー・ギター》からオッフェンバックの《ペリコール》まで、そして舞台をフランスのサンマリー・オーミーン村の屋根裏部屋から東京のカフェへと移しながら、ペドロ・コスタがモノクロの美しく力強い映像で見事に捉え、独自の視点で映画にした。

  • コロッサル・ユース 英題:Colossal Youth 原題:Juventude em marcha

    ポルトガル、フランス、スイス/2006年/ポルトガル語/カラー/35mm/155分
    出演:ヴェントゥーラ、ヴァンダ・ドゥアルテ、ベアトリズ・ドゥアルテ

    2007年10月山形国際ドキュメンタリー映画祭で、審査員作品として上映。
    2008年5月シアター・イメージフォーラムにて公開

    アフリカのカーポ・ヴェルデから移り住み34年間、この地区に住んできたヴェントゥーラ。彼は妻に家を出て行かれ、貧民窟と建てられたばかりの近代的な集合住宅の間を行き来し、人々を訪ね歩く。ヴェントゥーラが口にする言葉と、自らのペンで紡ぎだす手紙。そこには人間と土地についての壮大な叙事詩が立ち現れてくるのだった。『骨』、『ヴァンダの部屋』と、フォンタイーニャス地区の人々を撮り続けているペドロ・コスタ監督が、ヴァンダを再び登場させて描く魂の彷徨の物語。

  • ヴァンダの部屋 英題:In Vanda's Room 原題:No quarto da Vanda

    ポルトガル、ドイツ、スイス/2000年/ポルトガル語/カラー/35mm/180分
    出演:ヴァンダ・ドゥアルテ

    山形国際ドキュメンタリー2001映画祭最優秀作品賞

    2001年10月山形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティションにて上映、2004年3月、シアター・イメージフォーラム、6月大阪・シネ.ヌーヴォにて公開(シネ・ヌーヴォとの共同配給)

    1997年、ぺドロ・コスタ監督はある家族の運命を描いた劇映画『骨』をつくる。その後ふたたび彼は撮影地リスボンにあるスラム街に戻り、続編ともいうべきこの作品を手掛けた。『骨』の主演者でもあったヴァンダ・デュアルテ。スタッフは一年間カメラを通して彼女を追った。わずか3メートル四方の小さな部屋。そこで繰り返される日常。友達や親類の訪問、麻薬におぼれる日々。私たちはベッド一つしかない殺風景なヴァンダの部屋と、次第に破壊されていく周囲の建物のみを見つめ続ける。濃密な時間が流れる圧倒的な180分。

Pedro Costa ペドロ・コスタ

1959年ポルトガルのリスボン生まれ。1987年に短編『Cartas a Julia(ジュリアへの手紙)』を監督。1989年長編劇映画第1作『血』を発表。以後『溶岩の家』(1994)、『骨』(1997)でポルトガルを代表する監督のひとりとして世界的に注目される。その後、少人数のスタッフにより、『骨』の舞台になったリスボンのスラム街で、ヴァンダとその家族を2年間にわたって撮影し、『ヴァンダの部屋』(2000)を発表、ロカルノ国際映画祭や山形国際ドキュメンタリー映画祭で受賞した後、日本で初めて劇場公開され、特集上映も行われた。『映画作家ストローブ=ユイレ あなたの微笑みはどこに隠れたの?』(2001)の後、『コロッサル・ユース』(2006)は、カンヌ国際映画祭他世界各地の映画祭で上映され、高い評価を受けた。山形国際ドキュメンタリー映画祭2007には審査員として参加。フランスの女優ジャンヌ・バリバールを撮った『何も変えてはならない』(2009)の後、山形国際ドキュメンタリー映画祭2015で、『ホース・マネー』(2014)が大賞を受賞。