「山形国際ドキュメンタリー映画祭」の交流広場として人気の高い「香味庵(こうみあん)」は、すっかり映画祭の名物となっています。「山形 in 東京2004」での上映後、「東京的香味庵」を開設し好評でした。
今回も「東京的香味庵@space neo」が、 アテネ・フランセ文化センターでの上映後の語らいの場・交流の場となります。アテネでの上映にいらっしゃるゲストも可能な方はアテネから続けてこちらにも参加する予定です。「山形 in 東京2006」開催中限定です。是非お立ち寄り下さい。
場所:space NEOリンク
日 時:10月2〜7・10・13日 ・open 21:00—close 23:45
入場料:おひとりさま・・1,000円(ワンドリンク+山形のお料理)
※同会場space NEOにて10月8、9日は特別上映「雲南映像フォーラムin東京」を行います。ライブ感あふれる日本語同時通訳をお楽しみください。詳しくはリンク
10月2日、『医学としての水俣病』が第一部、第二部、第三部と通しで上映されました。水俣シリーズの中でも上映の機会が意外と少ないこの作品。この貴重なチャンスを逃すまいと、お客様が集まりました。
第一部終了後に土本典昭監督のお話をお聞きしました。写真は奥様の土本基子さんと。
第三部終了後は撮影の大津幸四郎さんがトークにいらしてくださいました。
大津さんは現在、舞踏家の大野一雄さんを撮った初監督作品を準備中とのことです。来年の3月にポレポレ東中野で公開されるとのことでした。
日本ドキュメンタリー作家シリーズ3日目は『三里塚・辺田部落』に続き、『全身小説家』、『もう一つの教育』『1999年のよだかの星』が上映され、原一男監督と森達也監督に上映後トークをしていただき、その後の観客から手が多く挙り、盛り上がった質疑応答となりました。
『全身小説家』の原一男監督
(この日は写真撮影に失敗してしまいました。これは、Documentary Boxインタビュー収録時1993年当時の写真です)
この日は教授として教鞭をとられている大阪芸術大学から原一男監督にかけつけていただきました。1994年にできあがった『全身小説家』、その前の作品『ゆきゆきて、神軍』や最新作で初の劇映画作品の『またの日の知華』の製作時のエピソードやトラブルなど製作秘話まで語っていただきました。
疾走プロダクション
是枝裕和監督はお仕事の都合がつかず、残念ながら参加いただけませんでしたが、現在、多くの連載を持ち、現在小説に取り組んでいらっしゃる森達也監督に来ていただきました。
森達也公式ウェブサイト
羽田澄子監督は現在最新作の『終わりよければすべてよし』の編集中に抜け出してきていただきました。ご自身も久しぶりに見たという『早池峰の賦』ができるまで、岩波映画製作所所属中に行った自主映画制作活動や、肖像画という手法をドキュメンタリーに導入したことについて、助監督として羽仁進監督と作り上げ、当時のPR映画界に一石を投じた『教室の子供たち』のことなどをお話していただきました。
『終わりよければすべてよし』は今年の東京国際映画祭で上映されるとのことです。
自由工房リンク
当日朝まで編集を続けてまさにできたばかりの最新作を披露してくれた大木裕之監督のトークでは、大木監督の『あなたがすきです、だいすきです』などのプロデュースをてがけた鈴木章浩さんに司会を務めていただきました。『g8』シリーズについて、work in progressというスタイルで作品を発表し続けること、「クィアー・アクション」というテーマについて話していただきました。現在も新作制作中でまた近くネパールにいかれるとのことです。
戦後の在日の歴史をまとめた集大成『在日』の完成に至るまで、いちから勉強しなおしたというという呉徳洙監督。金正日と韓流に挟撃されているという在日のいまについてなど、熱のこもったトークになりました。監督は現在現在は『在日百年・百人インタビュー』と『百年の旅人たち(仮題)』を準備中です。
すでに100回以上の上映を経ている『新しい神様』について、連日トークショーをしていた上映時のことや海外での反応について、観客からの質問に対して右傾化するいまの日本社会と登場人物である民族派パンクバンド「維新赤誠塾」のふたりとの比較などを語っていただきました。土屋監督の最新作は足立正生監督の『幽閉者(テロリスト)』のメイキングである『幽閉者たち』。公開が決まるのが楽しみです。
『新しい神様』サイト
ビデオアクト
『草の影を刈る』鈴木志郎康監督
日本の個人映画の草分けとして現在も作品を発表し続ける鈴木志郎康監督の約30年前の作品『草の影を刈る』を上映しました。NHKでカメラマンとして働くかたわら制作していたこと(そして映画の最後に辞めたというタイトルが入る)、当時は個人映画、日記をつけるように映画を撮るということが考えられていなかった時代、徹底して個人的であるということでアンチ・マスコミを意図したことや視点、ライブでつけたナレーションのことについて話がありました。
リンク
台風による大雨にもかかわらず監督や来てくださった観客のみなさん、どうもありがとうございました。
日本のドキュメンタリー作家シリーズの最終日は黒木和雄監督の傑作PR映画上映に引き続き、息をのむほどの美しい映像につづられた松川監督の最新作で、遺作となった『熊野古道』と、70年代の「たまごの会」の活動をユーモラスかつエネルギッシュに描いた『不安な質問』が上映されました。
上映後には松川八洲雄監督にも舞台にあがっていただき、ご挨拶していただきました。
まつかわゆまさんと松川八洲雄監督
その後、松川監督と長年チームを組んできたスタッフの方々による観客との質疑応答が行われました。
「たまごの会」の方も来場していただきました!
会場に駆けつけてくれた、柳田義和さん(『不安な質問』撮影助手)、弦巻裕さん(『不安な質問』『熊野古道』録音)、八幡洋一さん(『熊野古道』撮影)の熱心な受け応えにより、質疑応答は盛り上がりました。上映直前まで協力していただいた日向寺太郎さん、みなさん、ありがとうございました!
日本のドキュメンタリー作家シリーズのトリを飾ってくれた、佐藤真監督。
『エドワード・サイード OUT OF PLACE』の作られるきっかけや作品について、撮影の現場の状況、裏話(スタッフと現地の人とのチェス交流)、海外の映画祭から招待されることの多い佐藤監督が直前に行ってきたタイでの刺激的なワークショップの話などをしていただきました。満員の客席からは質問も絶えず、時間切れになってしまいました。
7日間で日本ドキュメンタリー史を駆け抜けたこの企画はこれで、終了。
熱心に毎日通ってくださった方々など来場者のみなさん、どうもありがとうございました!
9月30日から行われていた「日本のドキュメンタリー作家シリーズ」の最終日となった10月7日『不安な質問』上映のために松川八洲雄監督が来場してくれました。
そして、その数日後、10月11日に松川監督の永眠されたという連絡を受けました。
10月7日の上映に松川監督が来てくださるということで、数日前から準備を始めていました。
当日も『不安な質問』でその活動を活写した「たまごの会」の方々をはじめ、多くの方が映画を観に足を運んでくれ、30年近くも前に作られた作品の、撮る側、撮られる側の才気、エネルギーに満ちたみずみずしさは、その後の交流会でも話題となり、おおいに盛り上げてくれました。
上映会でのわずかな時間でしたが、松川監督と同じ時間を分かち合えたのは、大きな喜びでした。会場に来ていただきまして、本当にありがとうございました。
まつかわゆまさんをはじめ、ご家族の方、日向寺太郎さん、舞台に立っていただいた、八幡洋一さん、弦巻裕さん、柳田義和さん、ありがとうございました。
「エイゼンシュタインの言葉、影像作家が全宇宙をとらえようとむなしい努力をするのなら、全宇宙を写している一粒の露球をこそとらえよ」
松川監督がインタビュー完成後に、これを加えたかったとおっしゃっていた言葉をここに記します。
多くのすばらしい作品、言葉を残してくれた松川八洲雄監督、ありがとうございました。
スクリーンや著作で、またお会いしたいと思います。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
9月30日から10月7日まで行われた「日本ドキュメンタリー作家シリーズ」のトークの様子をレポートにアップしました。
レポート
ついに楽日を迎えました。
最後の上映『水没の前に』は満員御礼でした。
5週間に渡る、長い映画祭となりましたが、見に来てくださった方々、宣伝、上映、運営に協力していただいたみなさま、どうもありがとうございました。
来年の山形国際ドキュメンタリー映画祭は10月4日[木]−11日[木]に開催いたします。なんと、第10回目となります。
2008年もドキュメンタリー・ドリーム・ショーができますようにとねがいつつ、またみなさまとお会いできる日を楽しみにしております。
どうも、ありがとうございました!